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20000615


 夏だよ夏。草いきれっていうけど、南青柳橋渡ったときに琵琶湖の方から来る風ったらもう、草いきれ何ヘクタール? 夏は否応なく匂う。「消臭剤じゃ消せない匂いがある。BVDトランクス。」なんてのはどうでしょう。いや、ワコールでもフクスケでもいいです。

 朝から電話が鳴り響く。取るたびにFAX音とともに切れる。それが1、2分おきに何度も続く。様子がおかしいので、ナンバーディスプレイに表示された番号に「この番号は電話機です。番号をお間違いではありませんか?ファックスで御用の場合は△△にお送りください。HOSOMA」と紙に書いてファックスする。

 しばらくして電話がかかってくる「もしもし、ええと、ファックスをさきほどいただきまして、ホソノさん?」「ホソマです」「あ、ホソマさんですか。そちら県立大学さんですか。」「はあ、その中のひとつです。」「ええと、この電話番号、お尻が○×でしょう。で、大学の事務室のファックスは×○なんですわ。でも、カガクギジュツショに○×いうて書いてありますねん。それで間違えたんですわ。」「ああ、それはどうも。」「これ、このままやったら困らはるんちゃいますか」「そうですね、関係部署にいうときます」「それじゃ、どうも」がちゃん。

 先方のことばを信じるならば、先方の間違いの原因はカガクギジュツショ、なるものにあったということらしい。そして先方は、どういう手段でかは知らないが、正しい番号を知り、そのカガクギジュツショは間違いであることに気づいたらしい。

 そんで、自分は悪うないて言うためにわざわざ電話をかけてきてくれはったん? ご苦労さん、そら、アンタは悪なかったかもしれん、そやけど、事故に関ったもん同士のいたわりのことばがひとつも出えへんちゅうのはどういうこと? 「朝からなんべんも鳴らしてすんませんでしたな」てなんで言えへんのん? そっちはリダイヤルかなんかでピポパポお気楽にイライラしてたかもしれんけどな、十何回も電話鳴らされて、講義の準備でテンパってんのジャマされたこっちの立場はどうなんの? ほんでまた何ネムタイ言い訳しくさってからに、アンタまるっきり自分のやったことわかってへん、自分守ることしか考えてへんやん

 ・・・と、なぜ電話口で言えなかったか。
 んで、なんで、間違われたぼくが関係部署に連絡までせなあかんの。それはぼくがうっかりそうすると答えたからだ。くそったれ。



 P.S. なんちて結局、連絡してません。するかよ。もう一度死ぬほど電話がかかってきたら考えます。考えるかよ。そんなことより外は夏だ。

20000614
 なんも思いつかん。万事砂を噛むような味。まあこういうときもあるとしかいいようがない。淡白なゼミ続きでゼミの人にはすまんこってす。そんなときでも、ぬれおかきはうまい。
 明るい金正日。その時歴史が動いた、は漱石の巻。漱石役は井上純一。その時猫が動いた。明るい関川夏央。泣く井上純一。漱石は大学で週30時間講義。ぼくはいま週10コマ、15時間。半分でへとへと。
 モスで耳栓翻訳。ああ、はかどるな、耳栓してると。っちゅうか、耳栓してまで来んなよ。

20000613
 実習・会議・学会準備・相談などなど、どなどなどーな。いろんな悲しい意味で荷馬車に揺られて逃亡希望。

20000612
 あー、もう3コマやるとダルダル。からだがついていきまへん。へとへと。溶ける。

 液体化する前にメモ。今日はですね、一回生にリュミエール見せました。「工場の出口」は3つのバージョンを3回ずつくらい見せました。気づいたことを書いてもらって、また見せる。だんだん笑いが起こってくるようになる。音楽もナレーションも入れなかったけど、けっこうウケてました。「門しまったらあの犬どこ行くねん!」とか「カードゲームの給仕の人ハシャギ過ぎ!」とかね。
 だから、「最近の学生は映像体験が乏しくて・・・」とかなんとか言ってるセンセイは四の五の言わんとリュミエール見せましょう。
 リュミエールは集団劇が多いから何度見ても楽しい。あと、約1分ってのもいいです。作品によって程度は異なるけど、その1分をじつに綿密にタイムスケジュール組んで撮ってる。その上でなお起こるハプニング。同時にいくつも時間が流れてる。もう犬とか少女とかがいったんカメラの視野から出て戻ってくるタイミング、絶妙過ぎ。そういう複数の時間の流れの感覚が湧くようになったら、今日の講義の目標は達成。

 あと、講義の始めに「生まれて初めて撮った映像は何か?」というアンケートを取ったんだけど、いくつかおもしろいのがありました。「一家だんらんの映像」みんなでTVを見てるところを撮ったらしい。みんなの後ろから、TVも一緒に。「北海道家族旅行・熊」。ええタイトルです。熊園のクマだったそうです。「いとこが生まれたときに撮った」小学校低学年のときに、おじさんから渡されて撮った、という。被写体の記念、撮影者の記念。

20000611
 雨上がりの涼しい日。あと3時間、長い黄昏があればね。翻訳。夜ACT。今日はエビス。

 先日やったモニ娘データの読み上げについて補足。生データに入っている集計結果に反映されない情報について。

 たとえば、集計結果で上位のメンバーが必ずしも思い出されるとは限らない。「飯田」「ナッチ」「カラスの女房」名字や愛称や歌のタイトルだけが思い出される。「辻さん」なぜ最年少に[さん]?「なか」とは誰か。「全然知らない」「一人も分りません」知らないことの表明のぶれ。これら表現の揺れを一つ一つ確認していく時間の中で、じつは仮説だの論理だののタネは揺らされていく。

 君が跳んだ水たまりには、世界の水たまりにはない力がある。もしくは君が跳んだ水たまりが世界の水たまりである。力の揺らすできごとに、仮説を見いだす。もしかしたら仮説は反証され、結果的には力を裏切り、水たまりを踏みしだくことになるかもしれない。この裏切りの可能性によって、統計学はかろうじて有意義である。

 よしんば仮説が検証されたとして、君が跳んだ水たまりはどこにある。p<0.01 といった表現は、縮約されたものの墓場である。墓なんだから頭の中で花くらい備えろ。しかしそれが墓だとわかるためには、データを見る「時間」が必要である。

20000610
 いらっしゃいマシーン、ならぬ翻訳マシーンとなりへとへと英語の水を日本語のたらいに移す。ああ、ぶちまけちゃったよ。一段落まるごとぶちまけちゃいけません。それにしても意訳移行適切可能場、というものが翻訳にはゆるやかに存在すると思う今日このごろでございます。

 今日もレンタル落ちをがばっと手につかみ、目方でドン。440円でした。44枚でしたか。うち和田アキ子5枚。「ちゃうわ」(作詞:秋本康)など。

20000609
 健康診断。採血管ちゅうんですか、注射器にかぽってはめるとおもしろいほど血が抜けていくやつ、あれ、どきっとしますねえ。はめるときに押すから。押す=空気注入、という目で見てるぼくは、一瞬血管に空気入れられてるのかと思って貧血おこしそうになりました。しかし、あれは真空圧でも利用してるのか、それとも人間の血圧ってあれくらいあるものなんか、ちゅるちゅる入って行きますね、血が。

 山下達郎「Dreaming Girl」をいまごろ繰り返し聞いてる。「君が跳んだ水たまりへと/街の翳が雪崩れてゆくよ」(作詞:松本隆)風街でんなあ。レンタル落ち10円で買ったのに気がとがめて今まで落ち着いて聞けなかった街。いいんだよ、値段なんて、オレが買ったんだから。なんちて、水たまりを跳ぶことに比ぶれば、レンタル落ち消費という行為の貧しさよ。その10円コーナーから救い出した今、この曲をかけるっていう行為ならどうか。誰が行為するかにもよりまんな。というわけで、君がかけた古い曲へと/街の翳が雪崩れてゆくよ、ってのはどうでしょう。「夢の女」のカップリングは「砂の女」。

 夜はACTでアニメーションかける。最後は「Doggone Tired」でへとへとシメる。最近ここでコロナばっか飲んでる。

20000608
 エンドルフィンが切れかかってるがへとへとこなすぜ。

 今日の統計学基礎では30分つぶして、現在のモーニング娘。のメンバー10人の認知度を集計してみたぞ。延べ人数だ。

安倍なつみ 44
後藤真希 38
飯田圭織 35
中澤裕子 30
保田圭 23
矢口真里 23
辻希美 12
加護亜衣 8
吉澤ひとみ 7
石川梨華 3

(「モーニング娘。のメンバーのうち、知っている名前をできるだけ書いて下さい、というアンケート;有効回答総数:57)

 というわけで、1試料カイ二乗検定すればわかることだが、モニ娘。の知名度には1%有意でメンバー間に差があると見なしてよろしい、以上。地味な結果やねえ、カイ二乗検定。差があるかないかしかわからない。
 ちなみに一人も名前を知らない、という人が女性35人中2人、男性6人中2人おりました(残りは性別不明)。だから、モーニング娘。がなんのことやらわからないあなたも、無理して知る必要はありません。それが統計的人生ちゅうもんです(本気にすんなて)。
 拡張版フィッシャーの正確確率検定を行なうと、うーん、残念ながらデータが少なすぎて5%有意には届かない。でも、もうちょっとデータ増やせば、モニ娘。の認知度、もしかしたら男性<女性って結果になるかもよ。誰かデータとってみたら? ちなみに脱退者も含めてフルネームでパーフェクトに答えてくれたのは女性一人、でした。

 で、今日の疑問。「電卓を使って自分で計算した方が統計の理解は深まる」という言説をときどき見かけるが、これには根拠はあるのか? もう一つの疑問。「電卓を使う前に、実際に目の前でデータ集計した方が統計の理解は深まる」という言説はないのか。

 で、効果があるかないかはともかく、30分間、モニ娘。のメンバーの名前を読み上げながら、認知度のデータを集計する時間は、何か卒業証書を読み上げるような厳粛な空気が漂っておりました。そういえばアイドルのグループ脱退を「卒業」と呼ぶようになったのはいつからのことでしょう。おニャン子以来? あと、ジョンソンをジェイソンと書いてたやつがいた。

 ところで。前頭前野とか側頭野とか、そういう英単語を認知科学者用に網羅したWWWサイトはないんでしょうか。解剖学用の脳神経解説にはすばらしいのがあるんですが、詳しすぎてへとへと。

 夜はACTへ。カレーにラフティ。

20000607
MIT Encyclopediaの「Writing System」(Sampson) の項。「書法」の説明なのだが、「書く」ことに関する話はほとんどなく、アルファベットや非アルファベットを「読む」話ばかり。これがタイプライターの国の心理学というものか。しかし西洋にだってカリグラフィの伝統があるはずなのに。少なくとも引用されているオングの「声の文化と文字の文化」はもうちょっとおもしろかったのだが。あまりにツマラナイので、輪読会は30分で切り上げて、石川九楊の書集と「中国書史」を見る。

 ワープロ。打ち込み言葉という、線の時間の不在。線の時間から線の時間への干渉の不在。線の時間をいちどきに空間として捉えさせられることの不在。
 単にワープロという近代のテクノロジーを認めない頑迷な人として石川氏を見ても何も得られない。石川氏の書を見て、打ち込み言葉が失っているものの大きさを思い知ること。少なくとも、打ち込み時間について、たとえば「ゆううつ」と「憂鬱」が変換キーの一打ちの差でしかないこの奇妙な時間について考えない思考は、「Writing System」の筆者と同じくらい鈍感でしかない。

 今週の始めから彦根市久座の辻はACTがリニューアル、いい外装、内装になった。14:00-23:00まで開けている。ビールをさっと飲んで帰っても気持ちよい。
 じつはビルの売却が急に決まったため、今月いっぱいで明け渡しの可能性大。もったいなさすぎ。明日はどっちかわからないが、食事も酒もうまいので、彦根近辺の人はこの機会にぜひどうぞ。9日(金)の21:00-22:00はぼくがアニメーションを流してます。

20000606
 開学記念日。が、大学へ。「これでいいのか県大」なる討論会に引っ張り出される。これでいいのかと言われてもどれでいいのかわからず。そこをサービスするのがパネリストのつとめだが、二日酔いのせいもあって、ぼんやりした答え連発。それにしても教官も学生も「大学」という組織の問題にする前に個人レベルでやること満積という気がしました。そんなになんでも文部省だの大学だのに指導してもらいたいか。汝の鈍感さを知れ(ぼくも含めて)。
 講義がつまらん、とかね。学生を見ずに黒板と対話してるからなんだって。いいじゃん、黒板と対話してるセンセイ。ああ、センセイは講義中も思考しておられる、学問は孤独なんだ、と、そんなセンセイをソンケイしたもんだよボクは。毎年同じセリフ、同じギャグを言うセンセイとか。すごいじゃないか、古典落語だよ、それ。「チップス先生さようなら」を読みなさい。そんなに人生棒にふりたくないか、キミタチ。キミタチの好きなのは目をランランと輝かせてパワーポイントで専門用語を解説してくれ、しっかり取るべき笑いを取り、困ったらにこやかに相談に乗ってくれる、桂べかこをセミナーにぶちこんで明るくしたようなアイフルCMの独身男性社員的先生か。いや、みんな幸せになるといいよね、ほんと。

 ゼミ発表は浅井さん。同時に何人かで会話分析してせーので見せあうというもの。後出しなし、ってところがいいね。自分の視点のいたらなさがよくわかる。
 題材となった住吉さんのクッピーラムネの口どけの説明部分のリアルさはすごいな。「シュワーやないねん、サー」っていうところ。サー、の動作の短さ。手首をちょっと曲げるだけの一瞬の加速度と速度の微調整により、クッピーラムネは凝縮されさらさら溶ける。ここまで的確に描写できるのにラムネ嫌いっていうからなおケッサク。

 今日はさすがに酒ぬき。

20000605
 月曜。へとへと講義週間の始まり。

 課題1:A(行動)をする人はB(要因)を持つ、という社会常識をいくつか例として挙げ、それを反証するための簡単なチェック法を考えなさい。

 課題2:今から24時間以内に誰かと会話をし、その中で自分もしくは相手が行なったごく些細なルール違反を挙げ、その後どんなオプション行動が起こったかを書きなさい。たとえば、言いよどみ、言い間違い、同時発話など。

 高橋さんと北村さんが来る。梅原さん、田辺さんとゆうこさんで大名寿司に。飲み過ぎた。帰りにACTへ。カレーうまし。
 

20000604
 朝から川掃除。疎水をどぶさらいしてベルロード下をくぐると、無意識をひとつクリア/増やした感じがする。例年のごとく長靴の中までびしょびしょ。

 午後から大学。ビッグバンド部の映像。リハ聞きながらハイパーカードで作る。
 結局、前日iMovieで作り込んだやつより、ハイパカの白黒の方がウケた。筆蝕とは空間に固定されたリアルタイム性である。ハイパカにはかろうじて筆のあとがあるからな。
 このビッグバンドの演奏が気持ちいいのは、やりたいこととやってることの間の距離が短いところ。

20000603
 ビッグバンド部の映像を撮って明日のビデオ用にクリップをいくつか作る。iMovieでカットアップ。リハ風景から擬似リズムセクションを作る。あと、ファミコンのマリオとアイスクライマーを元にクリップをいくつか。
 福田和也「作家の値うち」。田中康夫と野坂昭如が載ってないのが「?」。すっかり文学を読みこなした気になりかけたが、じつはまだ読んでなかった中井英夫「虚無への供物」。

20000602
 夕方、大阪へ。元精華小学校の元エレベーター撮影。あとオルガンなど。モンスーンでビール。たまに大阪に出てくると、だだもれてるなあと思う。この店のタイルの鈍い光りぐあい、明かりとりから射してくる曇り空の散光、じつにゆるゆるとした時間。

 梅田ヒートビートで明和電機ライブ。よくも悪くも非常にテレビ的。もれてない。東急ハンズの袋下げてきた社長とヲノさんのコーナーが唯一、少しもれてる感じ。信者は楽しそうだったがぼくには辛かった。副社長には、パチモクいっぱつを鳴らすのに気の遠くなるほど時間をかけたテンションをぜひ思い出してほしいと思う。

 帰りにJRそばの焼き鳥屋でなごむ。手羽先おさえる鉄板の上に落ちる煙草の灰。だだもれてるねえ。終電までと思って飲み過ぎた。

20000601
バテ気味なので焼肉屋に入ってたらふく食う。テールスープの肉をしゃぶりつくす。

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Beach diary