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リンク

音盤

惑星
2009年3月
2ndアルバム「惑星」発売!

主観
2007年10月
かえる目1stアルバム
「主観」
オンラインで買うなら
Lilmag

書いた

オンライン連載
クラシックかわらばん
交換されるオペラ オペラ絵はがきの時代

arukan4
「歩きながら考える step4」
2010.2

donogotonka
「ドノゴトンカ創刊前夜号」
山本精一×細馬宏通 辻潤・遺墨対談

ユリイカ臨時増刊『昆虫主義』青土社「行動の来歴、個体の来歴」(2009.8)

『滋賀のABC』エルマガジン社「絵はがき」の項。(2009.7)

アウトサイダーライブ(第8回全国障害者芸術・文化祭滋賀大会記念図録集)「ことばにし難い身体に出会うには」(2009年3月)

扉野良人編集・羽良多平吉書容設計『Donogo-o-Tonka』に「管の中へ」(2008年12月)

『東京人』書評
(2007-)

2010.5 『ピアノ・ノート』『之を楽しむ者に如かず』『永遠の故郷』

Books

afro_disney2.jpg
菊池成孔・大谷能生編『アフロ・ディズニー2』(文藝春秋)

多人数
『生きるための試行』
(2010 エイブル・アート・ジャパン+フィルムアート社編/フィルムアート社)

多人数
『多人数インタラクションの分析』
(2009 坊農真弓、高梨克也編/オーム社)
ことば・空間・身体
『ことば・空間・身体』
(2008 ひつじ書房)

絵はがきのなかの彦根
『絵はがきのなかの彦根』
(2007 サンライズ出版)

絵はがきの時代
『絵はがきの時代』
(2006 青土社)

活動としての文
活動としての文と発話
(2005 ひつじ書房)

浅草十二階
『浅草十二階』
(2001 青土社)

その他

bccks

絵はがき風呂
黒板のある部屋
花男論メモ



The Beach : February 2011

細馬 宏通
mailad.gif

<<前月 | 翌月>>

twitter: kaerusan
つぶやく「ラジオ 沼」: radio_numa

■書いたり話したり歌ったり

京都新聞『現代のことば』
大友良英のJAMJAMラジオ:11/6放送分11/13放送分
3/24(木)かえる目レコ発@loopline
3/29 細馬宏通+中尾勘二@lete
ライブ情報は、かえる目ホームへ。


20110228

 データ分析。この二ヶ月、ちょっと発表を詰め込みすぎた。まるで準備が追いつきそうにない。


20110227

 朝の毎日の書評に石田五郎『天文屋渡世』があるのを見て、先日、菅原さんから車の中で聞いた話を思い出した。岡山に就職したある先生が、岡山は晴天率が全国一なんだよと自慢していた、という話。そのときはそんなものなのかと聞き流していたが、書評を読みながらハタと、その晴天率こそ、岡山に天体観測所がある理由だったと思い当たった。そして、その鴨方町にある天文台こそ、かつて下山孝子堂で販売されていた「天文台もなか」のモデルだった。だからどうした、と言われればそれまでなのだが、なんということのない会話の中に、天文台もなかが流星のごとくかすめていたのかと、ちょっと感慨に打たれたのだった。
 3月に出る『拝借』に収められた曲には、「書評」も「天文台もなか」も出てくる。


20110226

 大学で仕事。査読の仕事をため込んでいるのをすっかり忘れていた。いかんいかん。
 この日誌も月に二度つけるのがやっとというところ。いやはや。
 自転車で信号を待っているときなどに、ふっとメロディや歌詞の断片が浮かぶことがある。iPhoneのボイスメモに歌いかけておくのだが、そういうファイルがずいぶんたまってきた。いつか歌になるといい。
 裏庭にふきのとう。さっそくふき味噌にして食べる。今年も春が来た。


20110225

 入試業務。医学書院からインタヴュー校正。京都精華大学から昨年の「パクリシンポジウム」の報告書。


20110224

 慶応大で身体知研究会。卒論生の富田彩加さんとやったうなずきとあいづちの相互作用について話す。高梨くんは招待発表だったから知ってたけど、会場には伝さんや西阪さんも来てた。あれま。質問をいっぱいいただいた。と、いうことはみなさんの頭を刺激する発表だったということ。いろいろ考え直すところはあるが、おもしろい論文に成長しそう。
 トランクをがーっとひきずって田町駅から品川、のぞみに乗って京都へ。新幹線の中で発表準備。日文研で絵はがきに関する発表。日露戦争後の絵はがきブームの位相についてお話する。四条にて懇親会。長い一日であった。


20110223

 会議を終えて東京へ。明日の身体知研究会のため。主催者の藤波さんと田町で飲みつつ介護研究のあれこれや身体論についてお話する。かえって明日の発表準備。



20110222

 採点祭り。新潮社の長井さん来訪。アニメーション単行本の相談。
 夜、ようやく試験の採点が終わる。今年から採点結果の報告が電子システム化したのだが、100人分の点数を入力して一時保存しようとしたら、「点数がまちがっています」とメッセージが出て全部真っ白にされた。むかーーーーーーーー! そしてまだレポート採点が・・・。


20110221

 夜明け前、お祭りも終盤となり、はね能が続けて舞われる。その中でも、「くらま」は若手の誰もがあこがれる舞のひとつだ。以前は沢谷さんが舞っていたのだが、今年は新別当の八郎さんが舞うことになった。長刀をちゃっ、ちゃっと返して身構える所作があざやかで、名手の沢谷さんの動きを彷彿とさせた。ずいぶん練習されたのだろう。別当のさまざまな行事をおぼえながらこれだけの舞いを舞われるまでにはずいぶんご苦労があったのではないかと思うと、じんときてしまう。
 はね能の最後、「橋弁慶」は、昨年まで別当が舞っていたのだが、これを名手の沢谷さんが舞われることになった。沢谷さんはとにかく腰の落とし方、落ち着け方が格段にすばらしい。沢谷さんや利幸の舞いには、山の生活を感じさせる優雅な曲線があるなと思う。

 朝、しずめの面と八郎さんが相対しているのを見ていて、説明のできない情動に襲われる。それは、まるで八郎さんに虎男さんが重なっているようでもあり、一方で、虎男さんと八郎さんの対話を見ているようでもあった。
 能衆のみなさんは、面をつけるときに扇子でちょっと祈ってからつけるのがならわしなのだが、それはあくまで幕屋でのこと。舞い庭で面と舞い手とが相対するのは、しずめのときだけだ。面と人とが対面する。面は人の似姿となる。

 しずめが終わると、きっかり日が昇った。治次さんが挨拶をされて、おひらき。治次さんは先代の別当なきあと、合宿での練習から長い御子舞、謡の数々とフル稼働で祭りを支えておられる。つくづく頭が下がる。

 朝まで立ち尽くしでふらふら。宿に戻って仮眠して、菅原さんと帰路へ。喫茶DONの昼食を食べて、秋葉街道を行く。もう春の陽気。田楽が終わると、春、というのはいいな。帰ってしばらくデータ整理をしてみたが、途中で倒れるように寝る。


20110220

 午前中、佐々木さん宅にお邪魔して、若手の練習を拝見する。これが無類におもしろい。寿さん、主税さん、典さんに、今年は邦夫さんや若い毅さんも加わって、鶴の舞やはね能の練習にもいちだんと熱が入る。実をいえば、祭りの伝承という点では、この練習が本番以上におもしろいのである。  喫茶DONにて昼食(またもやきそば定食大)。データを整理する。夜の本番用に、観音様のお祭り式次第PDFというのを作る。各演目と主な注意点をiPhoneサイズにまとめたもの。これは本番でなかなか役に立った。  仮眠してから、5:00ごろに境内に行ったら、もう主立ったところには折りたたみイスや三脚がすえられ、場所取りが済んでいた。熱心な観客が多い。夕食、それから観音様のお祭りへ。8:30ごろに境内にあがると、もうけっこうな人。やがて別当宅前のほうからどんどんと音がして、松明とともに能衆たちが階段をあがってくる。ああ、今年も始まったなあ。毅さんは本番も御子舞を舞っている。若い人が舞うのを見ると、またこのお祭りが改められつつあるのが感じられて、よそものながらうれしい気がしてしまう。
 地固めの槍の所作を見ながら、あらためておもしろさを感じた。槍は地面より少し浮いた中空を狙って突かれる。槍を突くと同時にわらじを履いた足でその部分を踏み固める。槍の所作によって、中空に魔のひそむ空間が現れ、その魔が退治される。一方で、現実の魔は足で踏み固められている。まるでテレビ中継でもするように、地下の魔が中空に映し出されて、可視化されたその魔を、槍でつくかのようだ。
 高足は寿さんと主税さんのコンビ。気の合ったコミカルなやりとり。このあたりにも世代交代が感じられる。もどきは例年通り、治次さんと松治さんで、観客の笑いをとっていた。ねんねんぼうしは主税さんで、遠慮無くばしばしと叩かれる。



20110219

 朝、観音様のご開帳。般若心経を読む。
 喫茶DONでやきそば定食大。目玉焼きが下に敷いてある。
 水窪図書館に行き、(なぜか)テストの採点。今年は延べ800人分くらい採点しなければならないので、いまのうちにやっておかないと間に合わない。
 夜、鎮守様の祭り。主税さんが仕事を終えてかけつけてきた。表で寿さんと何度も梅花の練習をしていた。高砂を寿さん、梅花を主税さん、しんたいを毅さんが舞うという、見たことのない組み合わせ。



20110218

 朝、とるものもとりあえず、の体で山科へ。菅原さんが駅までレンタカーで迎えにきてくれる。今日から久しぶりの西浦田楽調査。
 別当宅へご挨拶に。昨年、別当の虎男さんが亡くなられて、今年から新しく八郎さんが別当になられた。八郎さんにあれこれ話をうかがう。実際にやってみると、表に現れない行事がいろいろあって、暮れくらいからあれこれ準備しておられるそうだ。
 宿に戻って夕食を食べてから口開けに。先代の虎男さんがのこされた帳面を確認しながら能衆のみなさんが座席や段取りを確認しながら事が進んでいく。
 合宿所の練習を見学。今年は雄次さんが毅さんにいろいろと段取りを教えておられる。その毅さんが太鼓を叩いたり舞ったりで、かなり若やいだ感じがする。八郎さんも口開けを終えてから来られて、君の舞を熱心に練習しておられた。君の舞は、お祭りでは三人が一人ずつ舞うのだが、練習では三人一緒。ベテランの沢谷さんの後ろに、八郎さん、毅さんがついて、三角形になって練習。



20110217

 会議、試験問題作成。統計学基礎の試験。今年は採点がたいへんそう。
 身体知研究会の原稿を仕上げる。


20110216

 卒論・修論発表会。京都 Social Kitchenで塩瀬さん、村松さんとワークブックの打ち合わせ。塩瀬さんはワークショップ経験が豊富なので、アイディアが具体的で、次々とダイナミックな考えが出る。うまく企画が通れば、おもしろい本になるはず。



20110215

 うなずきデータを見直して発表要旨を作る。年度末の書類いろいろ。

木村大治『括弧の意味論』(NTT出版)。週刊誌から思想文に至るまで、われわれがことばを括弧に入れる行為を考察。20年以上前に作った現代思想文作成辞書が取り上げられていてちと面映ゆくもあり。 http://bit.ly/i0Iddq
posted at 13:16:22

 昨夜の高橋源一郎さんの小説ラジオは、ほぼ日で高橋さんが打ち込んでいるところをust中継していたのだった。そのことについて、以下にツイート。

昨夜の高橋源一郎さんの小説ラジオのことを少し書いておこう。
posted at 18:16:51

昨夜の高橋源一郎さんのラジオ、まるで「読書」を目の当たりにしているようだった。朝倉喬司の本が開かれ、引用箇所に鉛筆の強い印。たわめられた紙から黒人霊歌が引き写される。がちがちと句読点のようなクリック音で読書が刻まれる。本と戦うような迫力。そして。 @takagengen
posted at 18:18:25

24あたりからときおり、ほうっという息が聞こえるようになった。とりわけ25を書いているときに吐かれた、高橋さんの深い息が忘れがたい。それは、これからくぐり抜けなければならないことばの(文字数とは別の)長さに対する息、労働に向かう息を思わせた。 @takagengen
posted at 18:20:39

木村センのことばをたどりながら、「や」という文字が気になった。ぐるりと回転しながら違和を唱える「や」ということば、それを表す「や」の曲がり、ひらがなを覚えたてのセンの筆先がたどった曲がり。
posted at 18:24:34

「じぶんのあしがすこしも いご/かないので よくやく やに/なりました」よくやく、というところで、初めて「や」の字が現れる。「よくよく」の間違いなのだろうか。しかし、同じ発音が繰り返される場所でわざわざ違う文字を書くだろうか。
posted at 18:27:13

「よくやく」に「や」が混じり、それが「やになりました」に続くこの場所で、「や」という文字は書かれながら、「や」に実ったのではないか。ひらがなを書き綴る長い時間をくぐりぬけて「や」は、あおきを見つけた。
posted at 18:33:25

「あたまにかぶサて/うるさくてヤたから きてくれ/」ここで、「や」の曲がりはとがって、きっぱりと家族にある労働を託している。いまやカタカナに尖った「ヤ」はまるで鎌や鋸のように、センの為してきた作業をなぞっている。
posted at 18:41:40

そして、「ヤ」の鋭い切っ先で切り離されたように、センはもう、じょどへの旅路をなぞろうとしている。
posted at 18:43:07

ひらがなとカタカナを覚えたばかりの人が、覚えたばかりの人だからこそ、そのうねうねとした曲がり、がくがくとした角に自分の違和も労働もじょどへまいるうれしさも込めてしまう。
posted at 18:46:17

高橋さんが、本の中身を切り取るように鉛筆で印を刻んでいた、その角度も、センの書くひらがなとカタカナの軌跡と呼応していた、そんな風に昨夜のことを思い出している。 @takagengen
posted at 18:50:22


20110214

 卒論指導。書類書き。

『玉子 ふわふわ』(早川茉莉編/ちくま文庫)は玉子エッセイのアンソロジー。山本精一さんの書き下ろしも。細馬は「みそかつ」について書いてます。玉子アンソロジーなのに。2/10発売。

 夜、高橋源一郎さんの『小説ラジオ』。いろいろ思うところ多し。

 以下、小谷元彦展についてのツイート

内在する拘束(1) 森美術館の小谷元彦展にはいろいろ考えさせられた。最初に立ち止まったのは、バンビの剥製の前だった。バンビの足の関節部分に、金属の金具がとりつけてある。その、うしろあしの金具に目を惹かれた。
posted at 22:50:06

内在する拘束(2) バンビのうしろあしは、大腿骨がまずぐっと後ろに突き出て、それにつながる腓骨が下へと下がる。その屈曲が、二足歩行をしている人間からすると、いかにも無理をしていそうで、よくそんな形であんなに速く走れるなと思う。
posted at 22:54:31

内在する拘束(3) その、屈曲する大腿骨と腓骨との関節部分に、ご丁寧にも三箇所の金属ががっちりとはめられている。重力に逆らう大腿骨、大胆な角度をつけた関節、重力に向かって降りていく腓骨、その三つのなす形、重力の地球に住まう角度に、金属の棘を生やすように。
posted at 22:56:41

内在する拘束(4) どの展示を見ているときにもずっと、この、バンビの後ろ足に生やされた棘のことがうっすらと頭にあった。数々のあざやかな曲線を描く骨をよく見ると、そのひとつひとつのパーツは、いずれも重力に抗する形をしている。
posted at 22:59:02

内在する拘束(5)巨大な頭蓋骨の突起も、自律的な骨の造形にまとわりつくささくれのような突起も、そしてHollowと題された人体からほどけていく炎のような帯も、もともとの骨格が持っている法則にエッジを与えている。
posted at 23:02:16

内在する拘束(6)バンビのうしろあしにほどこされた金属は、一見足枷のように見えるけれど、むしろ足枷のなす角度じたいは、バンビの骨格に内在している構造ではないか。
posted at 23:03:53

内在する拘束(7)動物は、歩行することと立ち止まることの両方を行わねばならない。そして歩行とは、立ち止まることを可能にしている安定を、揺らし、壊す。
posted at 23:05:20

内在する拘束(8)しかも歩行は、短期的には安定を破壊しながら、長期的にはそれが安定した周期をなすような動きとなる必要がある。
posted at 23:06:46

内在する拘束(8)そして歩行は、いつか止まり、別の安定を「成立」させねばならない。
posted at 23:07:41

内在する拘束(10)歩きだそうとするための形、重力の場で安定することから脱する可能性を、いつも有している形、それがバンビの大腿骨と腓骨。
posted at 23:09:34

内在する拘束(11)もし、ただ何年も同じ場所にたたずむ生活を送るのならば、わたしたちはフジツボのように、岩壁と分かちがたい頑丈な殻を持ち、地面にはりつけばいいはずだった。
posted at 23:11:37

内在する拘束(12)大腿骨と腓骨とは、金属の枷をはめられるまでもなく、実は内在する拘束を生きている。その拘束が、ときには痛ましいほどの角度となって関節に現れる。それは重力の場に生きるものが持っている形の痛ましさ。
posted at 23:14:43

内在する拘束(12)バンビならぬ二足歩行をする人であるところのわたしが、なぜバンビの関節のきしみに反応するのか。
posted at 23:15:29

内在する拘束(14)おそらく人たるわたしは、自分に似た姿をしたものたちを見つけ出してはそこに何か物語を見出そうとする。大きく言えばそういうことなのだが、バンビへの感応は、おそらくそれだけでは説明できない。
posted at 23:16:45

内在する拘束(15)そこで見出されつつあるのは、たぶん、重力に抗ういきもの、重力に抗う造形に対する何か、壊れることと回復することとを繰り返しながら動いていく生き物に対する痛みではないか。
posted at 23:19:17

内在する拘束(16)内骨格を持つわれわれはその痛みを内に保ち、動きながら痛みに羽をはやし、炎のように外に放出している。
posted at 23:22:16

内在する拘束(17)小谷元彦の諸作品は、見えない関節、重力に抗おうとする最も脆い場所に羽を生やして、そのありかを知らせている。その脆さから吹き出る、動きの可能性が帯となってほどける。
posted at 23:25:51

内在する拘束(追補)わたしたちの感じる時間感覚には、重力に抗いながらそれを利用しようとする関節の持つ痛みの感覚、すなわち移動の感覚が折りたたまれているのではないか。関節という空間を介して感じられる、身体の時間。
posted at 23:32:42



20110213

 質的心理学会の編集理事会。そのあと、せっかく東京に来たので気になっていた展覧会を駆け足で。東京写真美術館の3D展示。あまり目新しい展示がなくてちょっと残念。森美術館の小谷元彦。これはいろいろ考えさせられた。
 loop-lineでHOSE, Core Of Bells。どんよりしたエレクトロニカから突然メンバー乱入、さまざまな合体演奏など、相当好き放題な内容だった。「へそにピアス」をやる気配だったので、頭の中で歌詞を復唱しつつ身構えていたのだが、なんと呼ばれたのはmmm。くそー、やられた。くやしいことに、ぼくが歌うより放置プレイ感があっていい感じだった。

今日の富士山、すごいですねーと店内販売の人と話しているあいだに見えなくなりました。
posted at 11:04:20


20110212

 今月後半から来月にかけて発表が7つくらいあるのだが、まったく原稿ができていない。大丈夫か。まずはたんぽぽの家のワークブックの草稿。昨年行われた佐久間新さんのワークショップの映像を分析する。分析し始めた以上は、徹底的にやる。ほとんど論文一本分のボリュームになってしまう。一般向けの原稿なので、かたいところをほぐしつつ。

BS NHKのニュースで見ると、エジプト革命はお正月の各国風景みたいだなー。
posted at 01:54:41

こういうときどういう絵をとるかとか、2,3時間どういう放送をするかとか、やっといた方がいいと思うなあ。
posted at 02:24:59

これ2時間くらい報道すれば圧倒的に考えるはずだよなあ。どこにカメラを向けるか、何を語るか。どのネットのどの記事を見るか。誰に話を聞くか。どのニュースソースを組み合わせるか。
posted at 02:41:33

もうメディアはツイッターに移行したんだからテレビに速報性を期待しなくてもいいじゃん、って意見もあるだろうけど、カイロに記者やカメラマンを派遣しているメディアは、彼らに生で伝えてもらうべきだと思うんだよなあ。そういう経験をしてる人を増やした方がいい。
posted at 11:34:36

今朝、朝日の記事タイトルが妙にカジュアルになっているのだが、この「とんがった」の使い方は違うんでないかと思う。 http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201102110223.html?ref=any
posted at 13:09:24

いろいろ想像力を刺激する映像。これはどこで、どんなやりとりのあとに吹くことになったのか。楽器を持ってある場所に居るとはどういうことか。堀江努さんのラッパとブログ。 http://bit.ly/eOPYVC http://bit.ly/faIiMs
posted at 13:38:32

朝日の編集の方はカジュアルなタイトルをつける前に、「やったねムバラク大統領辞任」「どうなるのかなエジプト軍、権限掌握」などというフレーズをなぜ自分がためらうのか考えてみてはどうか。 http://allatanys.jp/
posted at 14:38:17

月末の身体知研究会には、今年の卒論のうちの一つを持っていく。毎年、卒論にはけっこうおもしろい研究があるんだけど、今後もこうやって外に出せるといいな。 http://www.jaist.ac.jp/ks/skl/activity/pg75.html
posted at 19:28:11

しょうが鍋>柚子鍋>にんにく鍋>カレー>カレー>カレー、と継承し続けた6日間、ついに鍋は空になった。
posted at 19:29:23

佐久間一行の井戸オバケ音楽、転調の仕方が凝ってるなーと思ったらロマンシングサガの音楽だったんだな。もちろん、「オレっさ」って歌詞もすごくおもしろかった。 http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=0zPAO1rb6mQ
posted at 19:49:30

3/4はVNV(ヴァーバル・ノンヴァーバル)研究会。グループホームで介護者どうしがよく行う模倣表現の謎に迫ります。 http://www.ieice.org/~vnv/
posted at 21:48:48

3/25,26は言語・音声理解と対話処理研究会。こちらでは、居住者と介護者が空間を共有するというグループホームの特徴が、介護者の身体表現にどう表れるかを考えます。 http://bit.ly/gTdOQJ
posted at 21:53:47

3/22-24は「言語と人間」研究会(HLC)セミナー。こちらではワークショップもあるので、マルチモーダル分析の方法論にやや比重をおいた発表をします。
posted at 21:58:28

3/6,7は筑波記憶会議で、グループホームでの入居者の立ち上がり行動から記憶と注意の問題を考えるポスターを。 http://bit.ly/giiL7l
posted at 22:02:33

・・・さて問題は、どの発表の原稿もまだできてない、ということだ・・・なんとかします。
posted at 22:03:40



20110211

ああ、明日は、今日作ったカレーがまた食えるなあ。楽しみだ。
posted at 01:27:37

彦根は護国神社の内側にあるカフェ朴。改装が終わって見違えるようにすっきりした。スイーツ好きの方もぜひ。今日は薪ストーブのそばで五十嵐大介「SARU」を読みました。 http://moku.hacca.jp/index.html
posted at 19:13:06

案の定カレーはうまかった。
posted at 23:18:13



20110210

 アニメーション原稿ようやく一章分。まだ先は長いな。

ツイッターでとある学生が書いていることには、ぼくの講義のレポート提出箱がいま、あふれかえっているらしい。みんな連休間際に駆け込み提出したんだな・・・来週が怖いわ。
posted at 18:01:45

Mr. Understand。こりゃいいわー。 http://www.youtube.com/watch?v=7N5F1cy9Gio&feature=feedf
posted at 19:30:11

〆切という文字列は、どんなに他人事であれあまり見たくないものである・・・はっ、打ってしまった。
posted at 20:58:07


20110209

 卒論の口頭諮問。アニメーション原稿。もうひと息。

椋本サトコさんから、かえる目「拝借」のジャケデザインが届いた。いやあ、すばらしい!早く見せびらかしたい!
posted at 15:01:29


20110208

講義にゼミ。京都新聞「現代のことば」原稿。

わたしがいま、何をしているかというと、わたしは日曜に見た、チェルフィッチュのことを考えているのです。
posted at 01:49:08

まだ公演は続いているし、ここで内容には触れないけれど、とんぼがえりで観に行ってよかった。
posted at 01:50:51

京都での『体と関係のない時間』、安部公房の『友達』と観てきたけれど、今回は、それらで扱われていた「家」がずっとクリアな形で、揺さぶられていた。
posted at 01:54:25

口をぽかんと開けたまま、目覚めている方法。目覚めるというのは目を開けるというやり方で。一度吐いたことばを呑む、呑みなおしてから、また吐くリズムで。
posted at 02:01:47

三つの時間(1)院生の御子柴さんは、彦根でいちばん古い写真館のご主人のところに通って、昭和三、四十年代の写真を見ながら昔の彦根のことを話してもらっている。
posted at 12:21:34

三つの時間(2)彼女がその研究を始めたとき、ぼくはてっきり、これは二つの時間の問題なのだろうと思っていた。つまり、現在の彦根と、かつての彦根の違いが、ご主人の話によって明らかになるのだろうと。けれど、実際の語りの様子を見ると、それは三つの時間の問題だった。
posted at 12:23:33

三つの時間(3)ご主人は、写真を指さしながら、ここにはね、昔、堀があったんですよ、と、拡幅された道路の縁をなぞっていく。それが御子柴さんにはにわかにわからない。今の彦根の街なら知っているし、かつての姿は写真に写っている。けれど、ご主人が語ろうとしているのは、そのどちらでもない。
posted at 12:25:24

三つの時間(4)ご主人は写真を見ながら、ここは昔はこうだったんですよ、こうじゃなかったんですよ、とよく言われる。写真を見ながら、写真には写っていないことを思い出そうとしている。その思い出されようとされている時間が、三つ目の時間。
posted at 12:28:13

三つの時間(5)写真を観て語るとき、その語りは、現在、その写真の時間、そして、その写真には写っていない時間、の三つを、同時に明らかにしようとする。明らかにしようとして、写真の上を指があちこち動く。
posted at 12:29:42

三つの時間(6)さっき上田洋平くんと立ち話をしていたら、ほとんど同じ話題が出てちょっと驚いた。上田くんは滋賀県のあちこちで古老の語りを丁寧に聞き取って、一つ一つのエピソードを盛り込み、その土地の絵屏風をつくってきた。
posted at 12:31:19

三つの時間(7)その絵屏風をお披露目すると、もちろん地元の人は喜ばれるのだが、おもしろいことに、絵屏風を見ながら、古老の方々は、絵に描かれていないことについてあれこれ語って盛り上がるのだそうだ。
posted at 12:33:09

三つの時間(8)それを観て上田くんは、大河ドラマで描かれるような歴史とはそれが全く異なっていることに驚いたという。絵屏風では、ドラマの時間が完成形として示されているのではない。むしろ、古老の話が駆動され、歴史が動き出し、更新され始める。
posted at 12:35:48

三つの時間(9)上田くんは、「これは絵画ドラマですね」と言う。動かない絵画は、絵画ではない時間を想起させる。それを語る人がいて、絵画にはない時間が現れだして、初めてドラマが成立する。
posted at 12:37:37

三つの時間(10)先日、チェルフィッチュの「ゾウガメのソニックライフ」を観て、いいな、と思ったのは、場所を駆動させる、冴えた道具の扱い方だった。筋書きには触れぬことにして、ひとつだけ、ぼくが強い印象を受けた道具立てを書いておこう。それはパイプ椅子だった。
posted at 12:39:58

三つの時間(11)京都で『体と関係のない時間』が上演されたとき、床には、家の間取りが切ってあり、役者たちは、足元に埋め込まれたその構造に強く制約されながら、息苦しくなるような動きを見せていた。
posted at 12:42:09

三つの時間(12)世田谷で安部公房の『友達』が上演されたとき、舞台には無骨なパイプで組み立てられたフレームが置かれ、それが主人公の部屋を表していた。闖入者の一人、麿赤児が、そのパイプを愚弄するようにがんがんと叩いて、部屋の境界を危うくしていた。
posted at 12:43:40

三つの時間(13)逆に言えば、それはただの枠組みとはいえ、がんがんと叩かれねばならぬほど、堅牢な部屋の構造にも見えた。
posted at 12:44:35

三つの時間(14)しかし、今度の「ゾウガメ」では、そのような固い家の構造がほとんど排されていた。かわりに、もっとも印象的だったのがパイプ椅子だった。それはポータブルで、どこにでも持っていくことができて、そのくせ置かれたとたんに座る場所を定める。
posted at 12:47:01

三つの時間(15)『友達』のパイプのフレームが、『ゾウガメ』ではパイプ椅子になったのかしらん。
posted at 12:48:31

三つの時間(16)椅子を折りたたんだり開いたりするときの、ちゃっ、ちゃっという音も、かつて麿赤児が杖で叩いた暴力的なパイプの音と対照的だった。
posted at 12:50:25

三つの時間(17)ポータブルな椅子は、ある意味ではいっそう油断ならない。そいつはいかにも軽々と扱えそうな振りをしているくせに、気がついたら、わたしを座らせ、わたしたちを座らせ、そこにはいつの間にか、家のようなレイアウトが発生している。
posted at 12:51:55

三つの時間(18)『体と関係のない時間』がレイアウトの中で演じる劇で、『友達』がレイアウトを乗っ取る劇だったとしたら、『ゾウガメ』はレイアウトを発生させる劇だったな、と思っている。その、レイアウトが発生していく時間を見る清々しさは、前に見たときには感じられなかった。
posted at 12:54:57

三つの時間(19)しかし、その発生していくレイアウトは、ことばが家について語り、夢について語るにしたがって、静かに、レイアウトの底にある息苦しさを顕わにしていく。控えめにゆっくりと繰り返される所作は、レイアウトを揺らし、レイアウトに揺れている。
posted at 12:57:17

三つの時間(20)もし語っている今と語られている家、語っている今と語られている夢とが、鏡のように対比されるだけなら、発生しつつあるレイアウトは、息苦しく固まっていくだろう。
posted at 12:58:37

三つの時間(21)その固まっていく時間を動かすには、二つの双子のような時間ではない時間、まだここには表れていない時間が。
posted at 13:00:04

三つの時間(22)そしてその、ここには表われない時間への通路を開くこと。
posted at 13:00:50

三つの時間(23)チェルフィッチュのパイプ椅子は二つの時間をレイアウトするための道具であるとともに、第三の時間を準備するための運動のようでもありました。その運動の行く末のことは、公演が終わったらまた書くかもしれません。
posted at 13:07:12

三つの時間(24)三つの時間を語った先に開ける現在が、言祝がれるべきものか忌むべきものかはわからない。ただ、『ゾウガメ』のいくつかの場面で、そういう三つの時間の動かし方があったのか、と驚かされたことを、ここでは書いてひとまずキーボードから離れます。
posted at 13:16:23

横浜で展覧会中の高嶺格演出作品『Melody Cup』が伊丹にて。12,13,14ですよ。 http://www.aihall.com/
posted at 20:37:33



20110207

 講義実習。今週で終わり。しかし採点が・・・。

さて採点祭りの第一弾がきた。400枚ほど・・・。木曜にはさらに200枚、来週明けには100枚がくる予定である。一枚何分かかるかなー(考えたくない)。
posted at 22:31:11




20110206

 とんぼ返りで神奈川のチェルフィッチュ公演に。いろいろ考えさせられること多し。またいずれここに書きます。



20110205

しまった、早く帰りすぎて家で聞いてしまった。もうちょっと遅ければタクシーだったのに w #kbs_jamjam
posted at 00:59:58

昨日のPhewは、ずんと来たなあ。ここで考えたことを抱えてまっすぐうちに帰ろうという気になった。
posted at 14:59:06

オープニングのオオルタイチのプレイもすばらしくて、ずっと踊ってた。考えを飛ばすときのスピード、これを倍速、こっちを慣性のまま、ここで違うビートに気をつけろ、時間を曲げたり伸ばしたり。
posted at 15:00:55



20110204

 講義とゼミ。成員カテゴリー装置について、Sacksの講義録をもとに話したら、劉くんが「今日は来て良かったです」と言う。
 心斎橋クアトロでPhew。

The title of the 3rd album is "Haishaku" ("borrowing"). We Kaerumoku borrow your ears, nose, eyes to realize sounds in your head.
posted at 22:42:58

3rdアルバムのタイトルは「拝借」です。われわれ、かえる目は、みなさまの頭の中の音を実現するために、みなさまのお耳、お鼻、お目目を拝借します。
posted at 22:45:41

かえる目の3rdアルバム『拝借』は3/24(木)に発売です。発売を記念して、千駄ヶ谷looplineにてライブを敢行いたします。
posted at 22:49:30

さらに、3/29(火)には下北沢leteにて、かえるさんソロ(ゲスト:中尾勘二)を予定しております。
posted at 22:53:58



20110203

今月号の東京人はラジオ深夜放送特集。ぼくは、矢野顕子「若いこだま」のことを書きました。ぼくはさておき、他の執筆陣がいいですね。 http://www.toshishuppan.co.jp/tokyojin_shousai.php
posted at 10:25:39

新聞は大丈夫か? 世論調査を読み直す(再掲載) http://12kai.com/201010.html#20101028
posted at 11:22:26

ラジオといえば、月曜にあった目に見えるラジオ連、もっとたくさんの人が見るといいと思うなあ。生演奏に生トーク、生妄想の現場を多々お見せできている気がします。みやけをくんの名企画になりつつある。
posted at 11:28:18

人はじゃんけんに勝つ方法を学ぶのではない。手をいかに同時に出すかを学ぶ。多人数が手を同時に出すじゃんけんは発声と身体動作を総動員するとてもおもしろい相互行為。でもこれに焦点をあてた研究は少ない。で、3月に「じゃんけんのマルチモーダル分析」という発表をやります。
posted at 12:22:53

生物科学2011年2月号(62巻2号)の特集は「追悼 日高敏隆」。長野敬、伊藤嘉昭、森貴久、湯本貴和諸氏が執筆。細馬は「個体の来歴、ヒトの来歴」という文章を寄稿しました。
posted at 17:18:00

講義資料に「プレゼント」ってことばがあったのでつい「今日誕生日なんでプレゼントくれてもいいです」と言ったら、講義後にチョコとかガムとかビスケットとか食玩をはいって渡してくれたり「何もないので歌をうたいます」と歌ってくれたり。君たちいいやつだなあ。ありがとうありがとう。
posted at 17:40:14

アルジャジーラが何かに似ているとずっと思っていたのだが、さっきふと思い出した。ユメカシーラだ。そしてそれは、自切俳人のオールナイトニッポンで聞いたのだった。ラジオだなあ。
posted at 22:52:17

それにしても、エジプト報道を見るにつけ、自分がいかにエジプトのことを知らないかを思い知らされる。デモの中にいたら馬とラクダが割って入ってきて恫喝されるなんて考えたことがない。
posted at 23:05:11




20110202

 ようやく投稿。ふう。
ゼミ講義ゼミ。卒論ゼミの打ち上げ。ゼミ生のみなさんから巨大なかえると一日早いバースデイケーキ。ありがとうありがとう。



20110201

 講義にゼミ。そしてまだ論文を書いている。



 

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