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20030919







 朝、図書館に行くとまず半地下のコインロッカーに向かう。階段を下りるといつも目に入るのがPatrick Hughesの"Paradoxymoron"。階段を下りているあいだは、ただの本棚の絵にしか見えないのだが・・・(オチは書かない)。いつもながら この絵には愉しませてもらっている。

 文献のいくつかは「Fragile」と書かれたたいそうな箱におさめられていて、うかつにページを広げるのもためらわれるのだが、ここは勉強のためにえ いやと(といっても120度ほど)広げさせていただく。こうした貴重文献はセルフコピーはできず、職員に頼んでやってもらうことになるのだが、このコピー代がやたらと高い。参考になる箇所は限られているので、自ら入力マシンとなって打ち込みま くる。英語文献だと漢字変換がないから、ほとんど画面を見ずに打てる。ついでにメモも英語でとる。
 ぼくだけではなく、Rare & Musicには入力マシンと化した閲覧者がそこここにいる。

 アヘン戦争以降の中国文献を受け取る中国人留学生。奪われしものを、こつこつと取り戻しているという感じ。

 外のカフェは「Last Word」という名前。陽射しをあびたいときはここに来てコーヒーを飲んでまた仕事。

 大女の割れた尻見ゆカフェ最語

 昨日、夜に食ったフィッシュ&チップスがどうもよくなかったのか腹の調子が悪い。これまで何度かフィッシュ&チップスを食ったことがあるが、その たびに腹の調子が悪くなる。大量の揚げ物+揚げ物を無理矢理飲み物で流し込む食い物がなぜ名物なのか。昼を食べる食欲がわかず、結局5時閉館までひたすら 文献を読み続けてメモを取る。

 こう図書館にこもってばかりでは世間知らずになってしまうと思い、Covert Gardenに行ってロイヤルオペラの蝶々夫人のチケットが余っていないかたずねてみたが、180£というとんでもない値段だったのでさよならして、無料 の大英博物館に行く。Henry Wellcomeという、実業家にしてコレクターの奇妙な男が集めた人体に関するさまざまな資料の展示。ブラザーズ・クエイのビデオ付き。展示向けという こともあるのだろうが、断片的なイメージがフェイドイン/アウトするばかりで、あまりおもしろいビデオではなかった。

 時間が余ったので、エジプトの展示だけ見る。人間のスケールを越えたものの中を歩く楽 しさ。この、圧倒的に巨大なものの中を移動するという眼・脳・身体システム体験は、いくらCGを駆使してもえられない。1851年のロンドン博に来た人々は、 何より、この巨大なものの間を動くという体験に驚愕したのであって、古代のロマンという記号に驚いたのではない。

 羽と身を同じ深さで過ぎる文字

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