*注:以下の内容は時がたつにつれて古くなる可能性大です。最新の情報は各自お調べを。
早送りや巻き戻しの不便なテープとその他の媒体とでは、作業時間に雲泥の差がある。2009年7月の時点では、テープの時代はほぼ終わり、これからはハードディスク、メモリ、DVDが主な記録媒体となっていくだろう。衝撃への強さとハンディさ、静かさを考えると、カメラではメモリが、大量のデータを扱うにはハードディスクが、そして保存用としてDVDが媒体として残っていくように思われる。
2009年7月現在、多くのビデオカメラやレコーダー、プレーヤーがハイビジョン(HD)対応になっている。単純に画質のよさを考えるなら、標準(SD)よりHDのほうがよさそうに思える。
が、従来の機器との相性やパソコンでの分析を考えると、HDの使用にはいくつか注意が必要である。
大量の映像データを研究に用いる場合、画質の保持、ダビング時間の短縮、そしてアーカイヴ作成の簡易化はぜひとも必要である。
しかし、従来のSD対応のプレーヤーやレコーダーではHDディスクを見ることができない。HDからSDに画質を落としてダビングすることは可能だが、この場合、赤白黄のコンポジット端子からのダビングになるので、撮影時間分だけダビング時間を要する。
もしHDによる撮影を行うのであれば、作業を簡易化するためにも、プレーヤー、レコーダー、取り込みソフト、分析ソフトのすべてをHDに対応させる必要がある。
HDはAVCHDと呼ばれる規格に準拠している。これに対応する各機器については、以下のwikiに要領よくまとめられている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/AVCHD
AVCHD対応の機器どうしなら高速ダビングができる・・・とは限らない。
USB端子やメモリカードによるやりとりを使った高速ダビングができるのは、同じ会社の特定の機器間のみであることが多い。カタログをよくにらんで、高速ダビングをサポートしているビデオカメラとレコーダーとの組み合わせを選ぶ必要がある。
パソコンにカメラやプレーヤー接続するためには、TS出力に対応したiLink端子のあるものを選ぶとよい。ハイビジョンDVDレコーダーの中には、DV入力のみに対応してTS出力のない機器があるので、よくカタログを見ること。
カメラとPCの相性によってはカメラから直接PCにデータを移動することもできる。たとえば筆者の場合、MacBook Pro (OS 10.5.8)とパナソニックのHDC-TM350、iMovieという組み合わせで、USB接続によって動画を取り込んでいる(2009年9月現在)(こちらを参照)。最近のiMovieは、いくつかのカメラを自動認識し、ハードディスクやメモリカードに入った動画をメニューで選べるようになっている。
残念ながら、現在のところ、AVCHD規格のデータをパソコンに取り込むためには、実時間だけかかる。が、mpeg2方式で撮影できるカメラであれば、データを直接パソコンに転送することが可能である。
Panasonicのデジタルカメラの中には、mpeg2方式で撮影できるものがある(DMC-GH1,DMC-TZ7など) 。mpeg2方式は、30分ほどで数Gと、いささか容量がかさばるのが難点だが、デジタルカメラは比較的安いので、興味のある方は、試してみられるとよいかもしれない。
研究に使うCCDや画面分割器などは、まだまだHDには対応しているものが少なく、あっても高価だ。もし従来のSD対応の周辺機器を使うのであれば、当面SDで撮影してSD保存、というのが得策だろう。幸い、現行のカムコーダーのほとんどはHD<>SD切り替えができるので、将来を見越してHD対応のものを買ってSDで撮影するのも手かもしれない。
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