- ELAN即席入門 -

重複データの扱い

重複部分を確認したい

 会話やジェスチャーの分析でしばしば問題になるのが、発語やジェスチャーの重複です。どこからどこまでが重複しているのかその秒数を知りたい、発語のどの部分かおおよそわかるといいのに・・・などなど。

 結論から書くと、発語のどの音で(ジェスチャーのどのポイントで)他の行為と重複が起こっているかは、結局じっさいに自分の目と耳で確かめるしかありません。とはいえ、この作業にも、ELANは役に立ちます。ELAN上で気になる発語(ジェスチャー)を再生して、他の発語(ジェスチャー)に耳を澄ませば(目を凝らせば)いいのです。

 この作業は非常に重要で、とくにマルチモーダルな関係を考えるとき、さまざまなヒントを得ることができます。

重複部分の長さを知りたい。

 ELANには、重複部分の長さを検出する便利な機能がついています。「Tier-> Create Annotation from Overlaps」(注釈層→前注釈終了時点から新規注釈を作成)を選んでみましょう。
 二つの注釈層を選ぶように言ってくるので、重複部分を知りたい二つを選び、適当な名前で新しい注釈層を指定してやります。すると、新しい注釈層に、重複部分と、重複の長さが表示されます。おお、これは便利だ。
 なんのことかわからない、という方は以下の図でどうぞ。

 
tier3.jpg

図1: たとえばこんなデータがあったとします。
BとCの重複を知るにはどうしたらよいか。

tier3.jpg

図2: Create Annotation from Overlaps(前注釈終了時点から新規注釈を作成)を選んだところ。
二つの注釈層を選ぶメニューが表示されるので、BとCを選ぶ。

tier3.jpg

図3: 新しい注釈層の名前をつける。名前は適当に。

tier3.jpg

図4: 注釈層「B_C_overlap」にご注目。
BとCの重複部分のみがデータ化されている。

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